未知の存在・迷宮神群の影響を受け、本人が望んだか否かは関係なく異能を得た人々が織りなす物語「ストレンジムーン」2巻目。マリアンヌの宝石箱に封じられていた「皇帝」ブロスペクトと彼に従う異能者たちの記憶と力の解放から始まった騒動が、さらに混沌としていきます。
……つーか、エスハが烏合の衆と身も蓋もない評価を下してましたが、本当、キャラバンがどうしようもなかったですね! ここまでの事態でなお一丸になれないとは……創設者はいるものの実権なしの隠居状態&いざというとき各派閥をまとめるリーダー的存在がいない&どころか派閥内外で闘争を長く続けてきたツケですね……。そんな中、玲音は記録者の助言もあってわりあい健闘してましたが、最後はあんなことになっちゃったし。このあとクレアがどう出るのかも含めて、エスハが不吉な予言をしている三角関係の帰結が気になるところです。
それから、パラサイトムーン既読組としては1巻に引き続いて旧作メンバーの登場が嬉しかったです。真砂と由姫(心弥&弓に続いて夫婦になってる!)は登場の予想も出来ましたが、冬華まで出てきたのはびっくりでした。レブルバハトとグランレイスの件を経て、立ち直って元気にやってる様子にはなんだかほっとしましたね。そうそう、鉄舟さんが焔鉄衆のひとの息子さんだったとは。つーか彼普通にかっこいいし、次があれば主役になったりとかしませんか(完全趣味) あと、超苦労人の羽矢多さんがんばれ、と応援。
さて。玲音と彼に宿った記録者、そしてリコルドリクという札が「皇帝」の手元に揃ったわけですが。完全にチェックメイトというこの状況からどう話が動いていくのか。次の巻が楽しみ。
The post 『ストレンジムーン2 月夜に踊る獣の夢』[渡瀬草一郎/電撃文庫] first appeared on 趣味の店・空想堂.